「元気が出る学級活動３」～では、どのように活動を進めればいいのか～

週刊を目指してがんばっている「元気が出る学級活動」第３弾ができたので掲載します。
元気が出る学級活動３.doc

＝＝＝＝以下、内容＝＝＝＝
　学級目標ができ、係が決まりました。学級が目標達成に向かって動き出します。それぞれの係で考えた内容を実践し、本当に学級のためになったかを振り返り、また次の活動を考える。ぼくはそのサイクルを回すことで子どもたち一人一人が自主的・実践的な力を身に付けると考えています。それでは、そのようなサイクルを回すために何が必要でしょうか？
　子どもたちが自分で進められるようになるまでは、まずは時間。そして温かい見守りが大切だと考えています。

１．子どもたちのやる気を引き出す　～時間の確保とポジティブシンキング～
　思い切って学級活動を月一回係活動の時間にしてみましょう。「自主的活動なんだから、休み時間を使いなさい」と言ったら、ほとんどの子どもたちはゲッソリしてしまうでしょう。休み時間も自主的にできるようになるのは、自分たちに実現したい活動があり、やるべきことが見えているからです。同じ係の仲間でどの目当てに向かって、どんな方法で迫るか、そのためにはどんな準備が必要かを考える時間をつくりましょう。その１時間、教師は教室を見回って声をかけます。「ほお！いいアイデアだね」など、ほめるときは大げさに、全体に広まるように、「そのためには○○がいるんじゃない？」「アンケートを取ってみれば？」など助言はこっそりと、子どもたちが自分で作り上げている雰囲気を高めていきましょう。もともと、係活動はなくても困らないもの、楽しくなるようにどんどん認めてあげましょう。

２．子どもたちの発想から始まる自主的活動　～係の仕事から全体での話し合いへ～
係での活動を進めているとどうしても全体で話し合う必要が出てくることがあります。「なかよしタイムにみんなで遊びたい」とか「あいさつ運動がしたい」とか全員に協力してもらう必要があるときです。そんな時は、活動の企画を固めて全体での学級会にかけるようにします。学級会で話し合うときは、計画委員会が企画・運営を行います。計画委員会は係活動とは別組織で、司会、副司会、書記を４人ほどで分担しますが、クラス全員が体験できるように輪番で行います。
計画委員会には教師も加わり議題を選定します。議題はできるだけ多様な意見が出ることが予想され、それぞれの意見をかかわらせることで、それまで気づかなかった価値に気づき、子どもたち一人一人が自分の生き方を見直せるような内容になることが理想です。最初は「サッカーかドッチボールか」というような、何をするかの話し合いがやりやすいですが、そればかりではあまり深まりがありません。子どもたちが話し合いの仕方に慣れてきたら、ぜひ「どうするか」を話し合うようにしてください。話し合いを深める部分は特別活動部会でも最も難しいと言われているところでもあるので簡単には語れませんが、まずは多様な意見が出し合えることを第一に考えてください。

３．より高い気づきを促すために　～話し合いの流れを想定し、支援を用意する～
子どもたちに議題についての考えを書いてもらい、それをもとにして話し合いの流れを想定します。大変ですが誰がどんな意見をもっているかをつかんだうえで話し合うことで、スムーズに進めることができ、子どもたちが考えを深めるチャンスを見極めることができます。基本的に話し合いは子どもたちが進めますが、教師はどこでどう出れば深められるかを想定し、効果的に子どもたちがかかわれるようにしておくことが必要です。
…とはいえ、子どもたちの話し合いは生き物なので、思った通りに流れることはまずありませんが、そのライブ感を楽しんでください。
話し合いでは、それぞれの意見の背景にある思いを相互理解することを第一に考えます。お互いの思いが十分にわかれば、どちらに決まっても納得して協力することができます。

４．実践を通して考えを深める　～話し合いでの決定を受けて協力しよう！～
　決まったら実践に向けて準備をします。話し合いで決まったことを受けて取り組むようにすることが大切です。みんなで決めたことをみんなで守る。その結果、うまくいかなかったとしても、そこから次はどうすればいいのかを考えていけばいいのです。実践した結果は必ず振り返るようにしましょう。日記やカードなどに書かせるようにすると一人一人が考えを深めるのに効果的です。累積していけば後で振り返って成長を感じる事も出来ます。振り返りの話し合いをもつことができれば理想的ですね。
　特別活動の基本理念は“Learning by doing.”「成すことによって学ぶ」です。一度で終わらせず、必ず次につなげていきましょう。そうすれば子どもたちは学んだことを生かしてどんどん上手にできるようになっていきます。