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Googleフォームを使った全校オンライン健康観察 [ICT]

全国で新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休校が続いています。
どこの学校でも子供たちの健康観察を行っていると思いますが、電話が中心なのではないでしょうか?
週一回の健康観察を行うのも、学校の電話回線を使うだけでは間に合いません。
勤務校は、544名の児童が在籍し、1人につき5分で済んだとしても2720分。なんと45時間以上もかかります。
1週間の勤務時間中、ずっと交代で電話して、ようやく終わるかどうかと言ったところ。電話代もばかになりません。

そんな状況を予想して、入院中に考えたのが「Googleフォームを使った健康観察」です。

ぜひ、みなさんに活用してほしいと考えて久しぶりに記事を作成しました。

4月6日に出勤して最初に行ったのが、教員の緊急連絡メールにフォームを送信して、返信してもらう実験でした。
フォームへのリンクを短縮すると一部のスマートフォンでアクセスできない事態になりましたが、それ以外は全員回答することができました。

リアルタイムで回答が集まっていく様は圧巻ですよ。

勤務校の先生方には「本当に対応が必要な家庭に心を配ることができる」と好評でした。

サルでもできるマニュアルは以下のリンクをクリックしてください。

Googleform.jpg
Googleフォームを使った全校オンライン健康観察.pdf
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どうして「ロボット」プログラミングにこだわるのか? #mindostorms #lego #wroj その2「物理的な力」 [ICT]

ロボットプログラミングで成長を促す1つ目の力。
「物理的な力」

ズバリ。ぼくらの住む世界を変える可能性だ。目に見える力としての存在感。
画面の中がどう変わったって、ぼくらの生活は変わらない。しかし、目の前の実物が自分のプログラムによって動作することは予想外の感動を与える。

Mindstormsを構成するLEGOブロックは、長い歴史をもち、多種多様なバリエーションのパーツ類が揃っており、可能性は無限大。モーターで動くクレーン付トラックやレーシングカー等のキットを出しているテクニックシリーズならかなり複雑な機構も再現することができる。

ブロック自体はプラスチック製だが、同様の機構を金属で再現し、モーターをもっとパワーのあるものに変えれば、実生活の中で役立つ機械を作ることもできるはずだ。
まず作ってみて、予想通りに動作するか確かめるプロトタイピングと同じことが可能なのである。

そして、これが重要なのだが、頭の中で完全に組み上がったシステムでも、実際に動かしてみるとなかなか思い通りには動いてくれない。
例えば、車体の前方にタッチセンサーをもち、BとCのモーターに付けた車輪で走行するロボットを考えてみよう。
rover.jpg
この場合、BとCの両方を前進させるとロボットも前進。
Bを前進させて、Cを止めると右に旋回するようになる。上図の通りだ。

障害物を避けて走らせようとするとき、「右のタッチセンサーが障害物に触れたら、左のモーターを止めて、右に曲がればいい」と思わないだろうか?

実際にはそう簡単には行かない。
でも、そんなことは大人でもやってみて初めて分かるものなのだ。
実際には、障害物にぶつかった状態でさらに障害物のある方のモーターを前進させると、バンパーがさらに障害物に強く押しつけられてしまい、左折することができずに停止してしまう。
syougai.jpg

現実の世界には摩擦が働いている。しかし、実際に経験してみるまではそんなことには気付かない。

これがPCの中のキャラクターならどうだろう?
きっと難なく、すり抜けて行くに違いない。
よっぽど優秀なシミュレーターでなければ再現することはできないだろう。

大きすぎる車体が重力で動けなくなってしまうこと、スピードを上げたらねらったところで停止するのが難しいこと。
実際の世界では、実に様々な要因によって私たちの思い描く動きを実現することは難しい。

それをひとつひとつ体験しながら学んでいけるのがロボットプログラミングの「物理的な力」だ。

なんでも最初は上手にはできないものだ。
成功よりも失敗からより多くを学び、成長していく。
難しさと向き合い、試行錯誤を通して、あきらめずに挑戦し続ける忍耐力と強さを身につけて行く。

そういうことを体験するチャンスを与えてくれるのがロボットプログラミングの素晴らしいところなのだ。

ただ、始めた頃はほとんど見られなかったタイプなのだが、最近はPCの中に自分の思い描くプログラムが完成しただけで満足してしまう子供たちが見られるようになってきた。

プログラムをロボットにインストールして実行すれば、失敗してしまうかも知れない。失敗を避けようとする子供たち。失敗を恐れてバーチャルに閉じこもる。
そういう感覚は一体どこから来るものなのだろうか?
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どうして「ロボット」プログラミングにこだわるのか? #mindostorms #lego #wroj [ICT]

今回はどうしてロボットプログラミング講習会を開くに至ったのかについて書きたいと思う。

ぼくは1997年頃から自分のサイトをもって情報を発信していた。インターネットの「世界中の人と交流できる」という可能性に夢をもっていた。
いつか授業で使いたいと願い、管理職に進言したこともあったが、まだまだメジャーではなく、却下された。

細々と自分のサイトをいじっていたとき、「学校にインターネットを引こう」というネットデイ活動を行なうボランティアグループと出会った。
今、ロボットプログラミングの講習を担当しているネットワークアシストたかおか(NAT)である。

教諭、民間企業の人々、市役所職員がそこで活動していた。
2001年にPTAの協力を得て、市内27校中3つの小中学校にネットデイを行なった。
壁にドリルで穴を開け、CAT5のケーブルを引き込んだ。ケーブルのかしめも講習会を行い、すべてを完全ボランティアのメンバーで実施した。
電気工事や配線、ネットワークのプロも参加する一大事業だった。

インターネットが開通すると、そのあとはPTAや教職員にホームページ作成の講習会を行った。教職員には画像処理や教材づくりの研修会も開催し、導入したネットワークがきちんと活用されるように支援した。
その活動が認められ、翌年には市内の小中学校すべてにインターネットが張り巡らされた。

市内の全小中学校にコンピュータ室が設置され、インターネットがすべての教室に行き渡った。
「これで子供たちが世界中の人々と交流し、これまでに考えられなかった世界規模での学習が始まる」と夢を膨らませた。

ところが、数年後、あいわからず図書館同様に休み時間も開放されていたコンピュータ室はWEBゲームと動画サイトの鑑賞室になっていた。
自分たちの考えを発信する。世界の人々と交流する。能動的な情報交換に使われると思っていたインターネットが、ゲームのダウンロードと動画視聴に使われる。
テレビを見ているのとそう変わらない。誰かの作ってくれたものを楽しむだけの受け身の姿がそこにあった。
「このままではいけない」
と、思った。

「画面の中をどれだけいじっても、子供たちはコンピュータの力を感じられないのではないか?」
「もっと世界を変えられる実感が得られる活動をしなければならない」
そう思うようになった。

プログラムで世界を変える。
それが「ロボット」プログラミングだった。

2004年から研究を始め、2005年から講習会を開始。
WROJapan決勝には2年目から参加している。大会はやはり子供たちの目標になり、励みになる。

それから10年以上続けてきて、ぼくは「ロボット」のプログラミングには子供たちの成長を促す3つの力があるのではないかと感じている。

1つ目は「物理的な力」。2つ目は「心理的な力」。3つ目は「人をつなぐ力」。
次回からこの3つの力について書いていきたいと思う。
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