SSブログ

学級目標を軸とした学校生活 ~子どもたち自身が「自分たちのためにやっている」と感じるために必要なこと~ [特別活動]

1.話し合い活動には準備が必要
今年度、校内の先生方にぼくのクラスの学級活動を全て公開しています。

学級目標づくりから始まり、係活動づくり、第1回の係活動ときて、5月1日はようやく議題を設定した学級会が始まります。これまで学級活動の研究では「できるだけ多く話し合いの活動を!」と言われるだけでした。

しかし、毎回毎回、そんな重い議題を話し合えるわけではありません。子どもたちが自分で学級会を進められるようになるためにはある程度の準備が必要で、そのための指導も時間がかかります。学級の課題を見つけ、議題を設定し、一人一人が自分の考えをもって話し合いに臨むにはそれなりの過程を踏む必要がある。

2.いかにして課題を見つけるか
さらに問題なのは「いかにして課題を見つけるか」ということです。子どもたちの集団を評価する目を育てなければなりません。自分たちはどういう状態で、何を目指せばいいのか。これまで多くの学級ではそれを示すのは教師であり、子どもたち自身が「自分たちのためにやっている」という意識をもちにくかったのではないでしょうか?

大人が「将来のため」「あなたたちのため」と言えば言うほど、子どもたちは押し付けられている気持ちになってしまう。それをうまくやれるかどうかが教師の仕事の大半を占めていました。

子どもたちが必然的に「自分たちのためにやっている」となるためには、目標を自分たちで決めることが一番の近道だと考えました。学校生活の全てを司る目標を子どもたちにゆだねてみましょう。子どもたちを信じてみましょう。「1年後、どうなっていたいか?」と話し合って学級目標をつくってみました。

3.子どもたち自身の思いを集めて学級目標をつくる意義
そうすると子どもたちはいきいきと自分のなりたい姿を語り始めました。そのうち「去年までは~だったけど…」と過去の自分たちをふり返ったり、「もう6年生だから…」と発達段階を意識したりする発言が出てきます。それら全ての思いを汲みとった学級目標をつくり、それを達成するための係活動を作る。

学級目標というゆるぎない軸をもって、教師も子どもも1年後に向けて進んでいきます。目標は子どもたちのものです。教師はそれを達成するための援助者として精一杯支援していきます。「大人の望む姿」にさせられるのではなく、「自分たちのなりたい姿」になるために子どもたちが取り組みます。

子どもたちにはこの転換が必要なのです。自分たちの目標があれば、それに向けての課題が出てきます。その課題について話し合いを進めることで、子どもたちはより一層「自分たちのなりたい姿」を意識し、それに向かって「どうあるべきなのか」を考えるようになります。

4.評価が下がる意味
学級目標の達成を目指した係活動を行い、そこから生まれた議題を話し合うことで相互理解や生き方に対しての考えを深め、実践活動を通して自分たちの実態を捉えなおす。このサイクルを通じて子どもたちは学級目標の達成へと向かっていきます。時間はかかりますが、一歩ずつ階段を登るように…。

時には「よかれ」と思って取り組んだ活動で、新たな課題が見つかることもあるでしょう。そんなとき、自分たちへの評価は下がってしまうこともあります。しかし、それは子どもたちの質が下がったわけではなく、評価の尺度が上がったのです。それを繰り返して1年後には大きく成長しています。

5.ぼくが情報を発信することの意味
このような活動の進め方をより多くの先生方に知っていただき、日本中の子どもたちが「自分たちの目標」をもち「自分たちの生き方・在り方」について考えて行って欲しいと願っています。それがぼくが実名で情報発信を続ける理由です。

5月1日には議題を設定した今年最初の学級会を校内向けに公開します。「6年生としての最初の集会を考えよう!」という議題で、転校生に自分たちのクラスのよさを分かってもらおうと「男女対抗リレー」などのゲームを楽しみ、「合唱」を聞いてもらう「よろしく集会」か、それとも1年生となかよくなるために「かもつ列車」や「手つなぎ鬼」などのゲームを行う「なかよし集会」か、どちらが最初の集会としてふさわしいかを話し合います。

学校のリーダーとしてまずは自分たちの足元を固める必要があるのか、リーダーとしての取り組みを進めながらまとまっていくのか。

二つの集会係から出された二つのアイデア。
最初のプレゼンの第一印象で子どもたちは真っ二つに割れました。
子どもたちの率直な思いのぶつかり合いと、その中で高まっていく6年生としての自覚を期待しています。

その話し合いの内容もできる限り公開していきますのでよろしくお願いします。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。