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「元気が出る学級活動5」~望ましい集団活動とは?学級目標達成度評価の実際~ [特別活動]

学校訪問に向けての書類作成と6月の小学校教育課程特別活動部会の研究授業。
この2つの準備でゴールデンウィークどころではなかった(単にとっかかる前のダラダラが長いだけ(笑))ですが、なんとか「元気が出る学級活動5」を書き上げました。
今回も長文ですので、マニアな方だけお楽しみください。
元気が出る学級活動5.doc
↑配布用
=====以下引用=====

1.望ましい集団活動とは? ~目標や手順、役割の共通理解・心のつながり~
 特別活動ではその目標を

「望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,自己の生き方についての考えを深め,自己を生かす能力を養う。」

としていますが、そもそも「なにが望ましい集団活動なの?」っていう人も少なくないのではないでしょうか?
 学習指導要領解説 特別活動編には、以下のように書かれています。

ア 活動の目標を全員でつくり,その目標について全員が共通の理解をもっていること。
イ 活動の目標を達成するための方法や手段などを全員で考え,話し合い,それを協力して実践できること。
ウ 一人一人が役割を分担し,その役割を全員が共通に理解し,自分の役割や責任を果たすとともに,活動の目標について振り返り,生かすことができること。
エ 一人一人の自発的な思いや願いが尊重され,互いの心理的な結び付きが強いこと。
オ 成員相互の間に所属感や所属意識,連帯感や連帯意識があること。
カ 集団の中で,互いのよさを認め合うことができ,自由な意見交換や相互の関係が助長されるようになっていること。

 ぼくはこれらから子どもたちとつくった学級目標を柱とした学級活動を推進しています。学級目標は4月当初の子どもたちの思いや願いをもとにしてつくられており(上記ア)、その目標を達成するために学級活動での取り組み(イ)を積み重ねていきます。話し合いでの司会者は輪番で全員がマニュアルを使って一度はオリエンテーションを受けています(ウ)。
あとは、話し合いの場面における教師の立ち位置が問題となります。ここがその他の授業とは違う部分だと思っているのですが、「教師は子どもたちの決定について口出ししない」という決まりがあります。子どもたちの自主的・実践的な態度を育成するためです。教師はやり方を指導し、うまくできないところは援助しますが、内容については子どもたちに任せるのが基本です(エ)。そのためには教師は話し合いの前提条件をしっかり決めておかなければなりません。学級会で「金曜日は休みにする」なんてことが決められても実行することは不可能です。どういう内容なら話し合っていいかというと「自治的活動の範囲」という事になります。子どもたちが決めてもいい範囲の中で議題を設定しなければなりません。
「時間割の変更や特別教室の利用も制限されるべきだ」という意見もあります。特別教室を使うような集会を全クラスが行えば、取り合いになり混乱してしまう。というのがその理由ですが、ぼくは「先生が用意してくれた〇月〇日の〇限は体育館で何をするか」というような議題があってもかまわないと思っています。学期に一度ぐらいはそういう楽しみがあってほしいし、そういうイベントの解放感が、子どもたちの変われるチャンスを与えてくれると思っているからです。
という訳で、学級目標の達成に向けて全員が自由に話し合い、相互理解を深めて、役割を分担し、心のつながりを深めるような活動なら間違いなく「望ましい集団活動」だと言えるでしょう。

2.学級目標アンケートの実際 ~どうして学級と自分自身の評価を同時に行うか~
第1号で紹介した学級目標アンケートですが、4年2組では「相談係」が集計を担当することになり、昨年度の6年生が作成したエクセルシートに打ち込んで4月分の結果が出ました。
gm4.gif

 赤が学級の雰囲気に対する評価、黒は自分自身に対する評価です。合計点数の差も計算しています。赤より黒が高い場合は「自分はできているのに学級が悪い」という問題意識をもっている状態。ぜひ、前向きな問題提起をするように働きかけてみましょう。黒が低い場合は「自分はできていないのに、学級のみんなはすごい」と思っていることになります。赤に比べて黒が低すぎる場合は自己肯定感が下がっていることが考えられるので、教師のサポートを必要としているかもしれません。
 この学級目標達成度アンケートを始めた当初、実は学級に対する評価だけを書かせていました。しかし、ある子が「学級のことか自分のことかわからない」とつぶやいたのです。「確かにその通りだ」と思いました。そこから学級と自分自身の両方を同時に評価するようにしてみました。やってみるとどうやら意味があるらしい。双方の評価を同時に行うことで、子どもたちの中に学級目標を定着させるのと同時に、学級という社会と自分自身という個人の関係性に気づかせることができるのかも知れません。
 これまで5年間継続してきた経験から見えてきたのは、最初は学級に対する評価と自分自身に対する評価の差が大きく、様々な実践活動を経るうちに次第にその差が小さくなっていくと言う事です。差が大きいということは、自分と学級とが無関係のように感じていることを表しています。しかし、自分たちが見つけた問題に対して、自分たちで解決して行くことを繰り返すうちに、子どもたちは自分も学級の一員であることを実感し、自分の行動が学級を変えていくという意識に変わっていくのではないかと考えています。
 学級全体で振り返るときには学級に対する評価だけを取り出し、その変化を見ています。
2011-4.gif
 4月27日の時点では、このような評価になりました。しかし、この値だけでは、大した意味はありません。この値から子どもたちがどんな問題意識をもち、どんな実践活動を展開していくかが重要なのです。
 「相談係」がこの結果を次の日の朝の会で発表しました。(授業参観の朝のことです。忙しい~!)
 これを見た子どもたちは、「低い」「がんばらなければ」と感想を話しました。
 帰りの会で教室の後ろに「相談係」が作った自由掲示板(学級目標に近づくための思いや方法を書く)に複数のコメントが書き足されていました。まだ、「勉強がんばるぞ!」とか「他の学年、クラスよりも先に整列するぞ!」とか、そんなレベルの内容ですが、子どもたちが見つけた課題に対してそれぞれがどんな動きを見せてくれるか。
これからの子どもたちの取り組みに期待したいと思います。
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