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普通の子どもたちのための目標のもたせ方 ~勝ち負けじゃなんだか寂しい~ [体育]

1.意外なチャレンジ
昨日、長女が卓球大会に出場した。
彼女は運動が苦手である。
保育園の頃から一度も徒競走で1位になったことはなく、球技もぎこちない。
妻の足の遅さと、ぼくの球技音痴が同時に遺伝したせいと、過保護に育てすぎて、いろいろな運動に触れるチャンスを奪ったせいだと反省している。

よもや、
「卓球大会に出たい!」
と言い出すなどとは思いもよらなかった。

聞くと、友達の誘われたからだという。
本当はやりたくもないだろう。
やる前から勝てないのは分かっている。
それでも友達とふれあう機会を増やす方を選んだことをうれしく思った。

2.最初の目標
家での練習は主に母が付き合ってくれた。
リビングのテーブルを卓球台に見立て、両端で打ち合う。
一度はぼくも付き合った。母より弱くて練習になったという。さすが親子(笑)

そして、あっという間に試合の前日になった。
ぼくはイベントに参加させるとき、その目標を一番大切にする。
目標を立てて、それに向かって努力することがそこからの学びを最大にすると思っているからである。

聞いてみると娘は、
「目標は1勝することだ」
と語った。

3.いい目標の条件とは
目標にはいい目標と、悪い目標がある。
ぼくの考えるいい目標の条件は3つある。

①達成できたかどうかが客観的に判断できること。

長期休業の目標を書かせると
「勉強をがんばる」
などと書く子がいるが、これは最低だ。
なぜなら、どうなることが達成したことになるのかが全く分からない。
達成感を得るためには、
「1日〇分間集中して勉強する」
とか
「毎日〇ページ自習する」
などの具体的な目標を立てる必要がある。

②自分の力でコントロールできること

勝つか負けるかは自分の力だけではどうにもならないことがある。
相手がめちゃくちゃ強ければ、どんなに努力しようが勝つことは難しい。
だから、勝つことを目標にしたら、自分の努力よりも重要な運の要因が関ってくる。
もちろん、大会で優勝をねらうような選手なら、そのような目標を立てる必要があるだろうが、うちの娘のような普通の子どもが勝つことを目標にしたら不幸になるだけだ。

そうした場合、もっと自分の行動に近い部分での目標をもつことが本人のやる気や達成感を増すための近道になる。

③達成できる確率が5分5分に近いこと

できたことをほめられ続けた子どもたちは最初から達成しやすい課題を選び、過程をほめられ続けた子どもはより高い目標を目指すという。
ぼく的には「できるかどうか微妙だな」と感じるギリギリの線をねらった方がやる気が出ると感じる。
これは本人の性格によって違うのかも知れない。

3.彼女の目標は

「1勝」
という目標を聞いたときぼくは思わず、
「勝つって言うことを目標にしたらつまらんよ。自分ができたかどうかはっきりする目標にすれば?」
って問いかけた。
しばらく考えて彼女は、
「じゃ、サーブの成功率にする。9割入れる」
と決めた。

4.最高の結末
予選は3試合行う。
ぼくは娘の実力をよく知っている。
だから内心、
「絶対勝てないだろう」
と、思っていた。

1試合目、2試合目と立て続けに負けた。
明らかに相手が強かった。

そして3試合目。
ジュースを繰り返して、ギリギリで逆転勝利。
自分からミスをせず、相手のミスで粘り勝ったという。

サーブの成功率はなんと100%。
「がんばったねぇ」
とねぎらうぼくに娘は、
「最後の子、調子悪そうでかわいそうだったな」
と話した。

小さな勝ちにおごらず、これからも相手を思いやる心をもった人に育ってほしいと思っている。
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