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どうして「ロボット」プログラミングにこだわるのか? #mindostorms #lego #wroj その2「物理的な力」 [ICT]

ロボットプログラミングで成長を促す1つ目の力。
「物理的な力」

ズバリ。ぼくらの住む世界を変える可能性だ。目に見える力としての存在感。
画面の中がどう変わったって、ぼくらの生活は変わらない。しかし、目の前の実物が自分のプログラムによって動作することは予想外の感動を与える。

Mindstormsを構成するLEGOブロックは、長い歴史をもち、多種多様なバリエーションのパーツ類が揃っており、可能性は無限大。モーターで動くクレーン付トラックやレーシングカー等のキットを出しているテクニックシリーズならかなり複雑な機構も再現することができる。

ブロック自体はプラスチック製だが、同様の機構を金属で再現し、モーターをもっとパワーのあるものに変えれば、実生活の中で役立つ機械を作ることもできるはずだ。
まず作ってみて、予想通りに動作するか確かめるプロトタイピングと同じことが可能なのである。

そして、これが重要なのだが、頭の中で完全に組み上がったシステムでも、実際に動かしてみるとなかなか思い通りには動いてくれない。
例えば、車体の前方にタッチセンサーをもち、BとCのモーターに付けた車輪で走行するロボットを考えてみよう。
rover.jpg
この場合、BとCの両方を前進させるとロボットも前進。
Bを前進させて、Cを止めると右に旋回するようになる。上図の通りだ。

障害物を避けて走らせようとするとき、「右のタッチセンサーが障害物に触れたら、左のモーターを止めて、右に曲がればいい」と思わないだろうか?

実際にはそう簡単には行かない。
でも、そんなことは大人でもやってみて初めて分かるものなのだ。
実際には、障害物にぶつかった状態でさらに障害物のある方のモーターを前進させると、バンパーがさらに障害物に強く押しつけられてしまい、左折することができずに停止してしまう。
syougai.jpg

現実の世界には摩擦が働いている。しかし、実際に経験してみるまではそんなことには気付かない。

これがPCの中のキャラクターならどうだろう?
きっと難なく、すり抜けて行くに違いない。
よっぽど優秀なシミュレーターでなければ再現することはできないだろう。

大きすぎる車体が重力で動けなくなってしまうこと、スピードを上げたらねらったところで停止するのが難しいこと。
実際の世界では、実に様々な要因によって私たちの思い描く動きを実現することは難しい。

それをひとつひとつ体験しながら学んでいけるのがロボットプログラミングの「物理的な力」だ。

なんでも最初は上手にはできないものだ。
成功よりも失敗からより多くを学び、成長していく。
難しさと向き合い、試行錯誤を通して、あきらめずに挑戦し続ける忍耐力と強さを身につけて行く。

そういうことを体験するチャンスを与えてくれるのがロボットプログラミングの素晴らしいところなのだ。

ただ、始めた頃はほとんど見られなかったタイプなのだが、最近はPCの中に自分の思い描くプログラムが完成しただけで満足してしまう子供たちが見られるようになってきた。

プログラムをロボットにインストールして実行すれば、失敗してしまうかも知れない。失敗を避けようとする子供たち。失敗を恐れてバーチャルに閉じこもる。
そういう感覚は一体どこから来るものなのだろうか?
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