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学級会の締め「先生の話」ができない!~何を深めたいのか想定するための絞り込み~ [特別活動]

放課後、職員室で学級会の会話になることが増えてきた。

今日、若手が相談してきたのは「最後の先生の話で何を言ったらいいかわからない」という話。何を言えばいいかわからないのはその話合いで深めたいことがなかったということ。そのためには議題を決めるだけではダメで、もう一段階が抜けている。

子どもたちが目当てをもち、それに向かうための実践のアイデアを考える。目当てを議題にして、アイデアを募るような話し合いをしていたら本時の中で大量の実践案が出され、その発表で終始してしまう。それでも「みんな目当てに向かって真剣に考えたね~!こんなにいろんなアイデアが出るなんてすごいね…」
とは言えるかもしれないが、きっと何も決まらないか、何にも理解し合えないうちに数の論理で多数決になってしまうだろう。

同じ1時間を使うのであれば、それではもったいない。

目当てを掲げ、たくさんのアイデアが集まる。そこから絞る段階が必要だ。うちのクラスの場合は次回の学級会の司会者グループが似たもの同志を集めて子どもたちに再提示し、2つに絞るようにしている。そのどちらがよりクラスのために必要であるかを検討する学級会にする。

教師も積極的にその事前まとめの作業に関わり、どちらに決まっても問題ないレベルまで内容をブラッシュアップする。それを2択で提示した上で子どもたちに「いいところ」と「心配なところ」を考え、第一印象での評価を決めてもらう。本時では「いいところ」を確認し、「心配なところ」の解消を図る。

「いいところ」と「心配なところ」。
果たしてどちらの話合いが大事か。

もちろん後者である。「いいところ」はできるだけ手短に行うため、黒板係があらかじめ短い言葉でまとめて短冊に書いておくなどするとよい。子どもたちの学級会カードに出ていなかったよさを書くために白紙の短冊も用意しておく。

「心配なところ」が重要なのは、そこに実践するうえでの課題が含まれているからである。本時の話合いでそれが解消されれば、子どもたちは相手のアイデアに反対する理由がなくなり、どちらも甲乙つけがたい素晴しいアイデアになる。

実践に向けての話合いとはそういうものだ。

高学年になったら「○が心配なので×したらどうですか」のような提案型の発言ができるようになってほしいのだが、やはり子どもたちは「自分たちのアイデアが採用されれば勝ち」みたいな感覚があるようで、なかなかそうはいかない。だが、ずっとそれを目指していきたい。

「人間が一度に比較できるのは2つが限度」という話を聞いたことがある。できるだけ絞り込み、その価値についてとことん突き詰めておくと「先生の話」もより高い視点から子どもたちの話合いにコメントできるようになる。そのためには「あらかじめ絞り込んでおく」というひと手間が必要なのだ。
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