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獅子舞の危機に立ち上がった男たち~若者を育てるには自分たちが汗をかく~ #shishimai #himi [地域]

万尾の獅子舞は危機に瀕しています。
若者がいないのです。
近年徐々に青年団の人数は減り続けてきたのですが、なんとかOBの力を借りて乗り切ってきました。
しかし、今年の青年団はなんと7名。
このメンバーだけで100戸の住宅を舞わす(回すではなく舞わす)ことなど不可能できません。
何とかしなければならないのです。

そこで私たち親和会が立ち上がりました。
親和会は35歳で青年団を卒業した有志が参加する懇親旅行を主な目的とするグループで、毎月少額を積み立て、輪番で幹事を立てて年一回の旅行と新年会を行なっています。
ですが、年中行事の中でも最も大事で核になっているのが獅子舞への協力です。

3月末、青年団長の呼びかけによって公民館に集まった親和会メンバーが協議しました。
そして、
1.今年からは青年団を獅子舞に専念させるために太鼓の台の移動、笛などのお囃子、交通整理などを受けもつことと、
そのために
2.青年団OBへ祭りへの協力を呼びかける
という2つの支援策を考えました。

祭の3週間前から始まった獅子舞練習にも積極的に参加し、毎晩、親和会メンバーが集まって指導しました。
40歳以上のおじさんたちが体にムチ打って自分たちの技を披露しました。

今回、久しぶりに練習会に参加した親和会メンバーたちは、「今の青年団も十分にうまい!」という感想を口にしました。本番だけを見ていると「どんどんレベルが下がっている」という感想をもっていたようですが、練習の様子を見ると格段に上手かったと感じたようです。

それはなぜでしょう?
本番では一晩中舞わさなければなりません。その一回に全力を賭けることなどできないのです。
あとのことを考え、本番ではある程度力を抜き、ペースを考えながらやっているのです。一緒に練習してみて初めて、もと青年団の親和会メンバーは自分たちが舞わしていた当時のことを思い出したようです。

そうなると、若者たちへの声のかけ方も違ってきました。
「うまいぞ!」「もう少し~した方がええぞ」
青年団のメンバーもどんどん本気になって取り組むようになっていきました。

本番。
親和会メンバーはこれまで適当なところで抜けて自宅で休むことが多かったのですが、今年は全員が一晩中一緒に歩きました。午前2時を過ぎると宿ではほとんどのメンバーが寝転んで休んでいました。ぼくにはそれが微笑ましく感じられました。若者も元若者も一緒にくたびれていました。


その晩は快晴。放射冷却で春とは思えない冷え込みでした。
くたびれた体にムチ打ち、使い捨てカイロで凍てつく指を温めながら笛を吹きました。
その寒さが限界に近づいたとき、東の空が明るくなってきました。
不思議なもので、日の光を体に浴びると、尽きていた力が再び甦ってくるのです。
毎年のことですが、人間の体と心の力の素晴らしさを実感します。

日曜参観の学校で恒例の獅子舞を舞ったあと、公民館で親和会メンバーによる万尾青年団獅子舞の全曲メドレーを行ないました。
少ない人数で交代で舞わします。天狗は3人しかいないので、息が整わないうちに次の曲が回ってきます。
見るからに苦しそうになってきました。
限界かと思われた時、なんと見かねたお年寄りが獅子舞の衣装を着て登場したのです。
これには青年団も見物に来た村の人たちもみんな拍手喝采でした。

平成23年度も新しい伝統が生まれました。
来年はぼくたち外からやってきたメンバーも獅子舞を舞うことになるかもしれません。

「伝統を守るためには、時代に合わせて変化し続けていくことが必要」
受け継いでいく人々の熱い思いがこうしてバトンをつないでいくのです。

★追記★
平成23年度 青年団最後の獅子舞
http://www.youtube.com/watch?v=Z15yetHzBvc
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